弊事務所では、下記期間を休業とさせて頂きますのでご案内いたします。
休業期間中は何かとご不便をお掛けすることと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
■夏季休業日 8月11日(木)~8月16日(火)
2022年8月1日
弊事務所では、下記期間を休業とさせて頂きますのでご案内いたします。
休業期間中は何かとご不便をお掛けすることと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
■夏季休業日 8月11日(木)~8月16日(火)
2022年8月1日
夏休みに入り、小さなお子様をお持ちのお父さんお母さんは、
日中の過ごし方に、頭を悩ませる時期となりました。
連日に亘る猛暑の中、外へ遊びに出すことも出来ず、
家の中にいると暴れ放題…といった始末に。
そこで、学校が休みに期間を狙って、盛んに行われているのが、
鉄道沿線を巡る「スタンプラリー」です。
JR各社が行っているテレビアニメを題材にした、
スタンプラリーが有名なところでしょう。
私鉄系のスタンプラリーでは、人気ゲームのキャラクターも加わり、
ますます盛り上がりを見せています。
また、今年は旧国鉄が開業して150年を、
東急が100周年を迎える記念の年となっており、
記念入場券の販売や特別ツアーなど様々なイベントが企画されているそうです。
京都に電車が登場したのは、明治28年のことです。
首都である東京に先立ち、日本初の電車として
路面電車を走らせたことが始まりとされています。
その後、その路面電車は京都市の公営として、
市街地中心部および南部を走る
「市電」として運営されるようになります。
「嵐電」は京都市西部と市電の運行区域を結ぶ、
交通手段として1910年に開業します。
当時、電車を運営する会社の多くは電気の供給事業も行っており、
嵐電も電気の供給事業会社(現在の電力会社)に吸収され、
住民への電気供給と、交通の足として発達していく事になります。
しかし、マイカーの普及と共に乗客数は減少を辿り、
市電の廃業も加わり経営は日増しに苦しくなっていくのです。
現在は、大阪市南部と京都、滋賀を結ぶ鉄道、
「京阪電気鉄道(京阪)」のグループ会社となっています。
明治の経済界を引っ張って活躍し、
「銀行の父」と称された渋沢栄一氏らの掛け声の下、
並行する国営鉄道(現在のJR)に対抗する鉄道として発足したのです。
京阪の運営も決して順風満帆ではありませんでした。
自社路線に並行する路線を他社に開業させることを阻止するため、
大阪市北部から京都、奈良、和歌山を結ぶ各路線を開業しようとしましたが、
不況により計画は頓挫し、いくつかの路線は他社に明け渡すことになります。
一時、戦争による政府の統制により
「阪急電鉄(阪急)」と合併することになりますが、
戦後、再度分離する際には、残った大阪市北部から京都を結ぶ路線を、
阪急に明け渡すことになってしまうのです。
最初の名は、箕面有馬電気軌道という名で、
大阪と紅葉名所や温泉地を結ぶ、遊覧鉄道と見られていました。
しかし、その鉄道は小林一三氏の斬新なアイデアにより、
後の阪急電鉄と変身するのです。
新しいインフラの誕生と、直後の乱立、統合から淘汰への流れは、
インターネットや携帯電話に係わる事業の流れと重なってしまいます。
成長分野へ足を踏み入れることは、企業の成長にとって大切なことですが、
その後には同じような流れがあることをお忘れなく!
2022年7月20日
地価が上昇しているにもかかわらず地代を据え置いている場合、どのような影響をもたらすのか教えてください。
私が所有する土地の上に、私が100%出資しているA社所有のマンションがあります。この土地の賃貸借に関して権利金の収受はなく、契約締結当時に算定した「相当の地代」を地代として収受する契約を締結しています。
近年、マンション周辺の地価が上昇していますが、地代は改定していません。このまま地代を据え置くことに問題はありますか。
なお、マンションは築後20年を超えて修繕箇所が増え、管理に手間がかかるため、A社を経営している息子から売却の相談があります。
周辺の地価が上昇しているにもかかわらず「相当の地代」を改定していない場合、自然発生借地権が生じている可能性があります。この自然発生借地権は、譲渡や返還、相続等が発生したときに生じていれば課税の問題が生じますので、ご注意ください。
建物の所有を目的とした土地の賃貸借契約に基づき、賃借した土地に対する賃借人(借地人)の権利部分を、「借地権」といいます。
この賃貸借契約の締結時に、借地権を設定した対価として賃借人から賃貸人に対して支払われる金銭のことを、「権利金」といいます。
地域の慣行として権利金の受け渡しがあるにもかかわらず行っていない場合は、原則として、権利金の認定課税が行われます。
ただし、この受け渡しがなくても、賃貸人が「相当の地代」を収受しているときには、認定課税はされません。
相当の地代は、土地の時価に対しておおむね年6%程度とされています。この場合の「土地の時価」は、課税上の弊害がなければ、対象となる土地の自用地としての相続税評価額、あるいは過去3年間における相続税評価額の平均額、などにより計算することも認められています。
相当の地代は、上記2.のとおり土地の時価がベースとなりますので、土地の時価が上昇した場合には、相当の地代も上昇するはずです。
この上昇した部分を地代に反映させず、地代を据え置いた場合には、その部分の借地権が発生したものとされます。これを「自然発生借地権」といい、借地人に帰属されます。
ただし「自然発生借地権」は、実現されるタイミング(譲渡、返還、相続などが生じる)まで課税されません。
相談の内容から譲渡を視野に入れているとのことですので、仮に相続が開始される前に譲渡された場合に、その譲渡の時点で「自然発生借地権」が生じていれば、課税の問題が生じてきます。どのような問題が生じるのかはケースによって異なるため、ここでの説明は割愛させていただきます。
同族間の不動産の賃貸借は、常に課税の問題が絡んできます。今回の課税の問題の詳細を含め、相当の地代の改定については、お気軽に当事務所へお問い合わせください。
<参考>
国税庁HP「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」ほか
2022年7月5日
団体信用生命保険と住宅ローンの相続時の取扱いについて教えてください。
自宅を購入するために、夫は銀行で住宅ローンを組みました。
その際、団体信用生命保険の特約を付加したのですが、仮に夫が亡くなった場合、住宅ローンはどうなるのでしょうか。また、団体信用生命保険の保険金や住宅ローンは相続財産になるのでしょうか。
ご主人がお亡くなりになった場合、返済中の住宅ローンの残額に団体信用生命保険(以下、団信)の保険金が充当され、住宅ローンは免除されます。また、団信の保険金や住宅ローンは相続財産にはなりません。
仮にご主人がお亡くなりになった場合には、住宅ローンの残額に相当する団信の保険金が銀行に直接支払われます。
この保険金が住宅ローンの残額に充当されるためゼロとなり、以降の返済は不要となります。
ちなみに一般的な団信は、死亡の他、高度障害状態となった場合も同様に支払われます。団信の保障内容によっては、病気やケガなどの所定の保障対象となった場合にも支払われるものがあるようです。保障範囲は確認しておかれるとよいでしょう。
相続税の計算上、被保険者である被相続人の死亡をきっかけに相続人や受遺者が受け取る死亡保険金のうち、被相続人が保険料の全部または一部を負担していたものは「みなし相続財産」として、相続税の計算の対象となります。
団信は、契約者が銀行(債権者)であり、保険金の受取人も銀行(債権者)です。そのため、支払われた死亡保険金は「みなし相続財産」に該当しません。
被相続人名義の住宅ローンの残額がある場合、相続税の計算上、債務控除の対象となります。
しかし、団信の特約が付加されている住宅ローンの場合、上記1.のとおり、住宅ローンの残額はゼロになります。したがって、債務控除の対象となる「確実と認められる債務」にはあたらないとして、債務控除の対象とはなりません。
保険は、契約の内容によって税金の取扱いが異なります。保険に係る税金の取扱いや相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
2022年6月24日
こちら京都は、3年ぶりとなる通常通りの祇園祭を前に、
うだる蒸し暑さが始まっています。
食欲も落ちるこんな時は、香辛料の効いたカレーに汗を流しほおばり、
なんとか暑さを吹き飛ばしたいと思います。
今では、様々な種類のカレーがレトルト・パックで出回っていて、
本格的なカレーも手軽に食べられるようになっています。
そんなレトルトカレーの元祖「ボンカレー」は、
テレビCMなどのマス広告を止めてからも売上げが伸びているそうです。
「ボンカレー」の他にも、「オロナイン軟膏」「オロナミンC」、
「ごきぶりホイホイ]「ポカリスエット」などなど、
ヒット商品を生み出してきた大塚製薬グループ、
そしてその創業者の大塚正士氏。
団塊の世代の方には、懐かしい商品名、
あわせて当時のCMが記憶によみがえる方も多いはずではないでしょうか。
これだけのヒット商品名を生み出し、
また何十年もの永い間人気を保ち続けています。
当然の事ながら、その人気は簡単に手に入れられたものではなく、
大塚氏の手緩めない猛攻勢があったからこそ成しえたものなのです。
最初のヒット「オロナイン軟膏」の発売の時には、
損を覚悟で小学校の生徒全員に無料サンプルを配るという
大胆な戦略に出たのです。
その金額は売価で1億8000万円、
「税金で持っていかれるよりも、商品の良さを知ってもらい、
信用を高めたい」と言う気持ちがあったにせよ、
常識を超えた力量が現れています。
「オロナミンC」のときには、販売ルートを薬局から一般小売店へ
方向転換し、朝昼問わず、夜のネオン街まで売り込みに回ったのです。
栄養ドリンクの売上が減った薬局は猛反発して、
お蔭で「オロナイン軟膏」の売上は半分になってしまったほどでした。
このように、リスクを怖れない大塚氏の販売戦略は、
先発の強豪商品を追い抜くヒット商品となったのです。
大塚氏は苛立っていました、
「会社をもっと、大きくしたい…、
しかし三井や住友のような財閥のようになるには、時間が足りない」
自分一人がどれだけ一生懸命働いても、たかだか50年ほど、
早く大きくなるにはどうしたらいいのか…
あるとき江戸時代に廻船業で富を築いた、豪商の経営手法にヒントを得て
本格的にグループ経営に乗り出すのです。
豪商は新しい船が出来上がると、その度に船長を雇って仕事を任せる。
船長には売上に対して歩合が渡されるので、必死になって働き、
当然船主にもたくさんの利益が残ることになる。
これを会社経営に取り入れて、グループ会社の舵取りを、
それぞれの会社の社長に任せるとして、
10人の社長が30年働ければ、300年分になる。
財閥にも決して引けを取らない歴史分の仕事が一生のうちに出来ることになる。
その経営手法に則って、設立した会社のひとつが大鵬薬品です。
大塚グループと問屋が共同出資して出来上がった会社の社長には、
若干32歳の若手役員を抜擢したのです。
こうして大塚製薬はグループ売上高1兆円規模の、
大企業へと成長を遂げたのです。
2022年6月20日
遺産分割に関係する民法の改正が行われたと聞きました。具体的には、どのような改正なのでしょうか。
これまで、遺産分割については、相続開始(被相続人の死亡)時から何年経過した後に行っても、分割方法に違いが生じなかったことから、早期に遺産分割の協議または請求をすることにつき、インセンティブが働きにくい状態でした。
しかし、遺産分割がされないまま相続が繰り返され、多数の相続人により遺産が共有されると、遺産の管理や処分が困難となり、そのような状態下で相続人の一部が所在不明となることが、所有者不明土地が生じる原因の一つとなっていました。そこで、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しとして、遺産分割に関する民法の規定が改正されることになりました。
改正の最も重要なポイントは、具体的相続分(※)による遺産分割に時的限界が設けられ、相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく、法定相続分によることになったことです。
すなわち、具体的相続分によれば、法定相続分による場合よりも多くの財産を取得することができると考える相続人は、他の相続人が得た贈与が特別受益に該当する、あるいは自分が被相続人に行った労務等の提供が寄与分にあたると主張することになりますが、遺産分割の合意ができず、そのような具体的相続分に沿った遺産分割の審判を求める場合には、相続開始時から10年以内に、家庭裁判所に遺産分割請求を行うことが必要となります(具体的相続分による遺産分割の合意は、相続開始時から10年を経過した後でも可能です)。
なお、上記改正部分の施行日は、令和5年(2023年)4月1日となっていますが、施行日前に被相続人が死亡した場合の遺産分割についても、改正法の適用がある点に留意する必要があります(但し、経過措置により、相続開始時から10年経過時または改正法施行時から5年経過時のいずれか遅い時までに、遺産分割請求がされた場合には、具体的相続分による分割は可能とされていますので、少なくとも5年の猶予期間があります)。
他にも、現行法では、遺産共有と通常共有が併存する場合において、共有関係を裁判で解消するには、地方裁判所等での共有物分割訴訟と、家庭裁判所での遺産分割請求を別個に実施する必要がありましたが、改正法では、相続開始時から10年を経過したときは、遺産共有関係の解消も共有物分割訴訟において実施することができるようになります。
また、相続により不動産が遺産共有状態となったものの、相続人の中に所在等の不明なものがいて、共有関係を解消できないようなケースについて、相続開始時から10年を経過したときは、裁判所の決定を得て、相当額の金銭を供託することにより、所在等不明共有者の不動産の持分を取得することができるようになります。
このように、改正法では遺産共有関係の解消の促進、円滑化、合理化が図られていますので、有効に活用されることが期待されます。
(※)具体的相続分とは、民法であらかじめ定められている画一的な割合である法定相続分を、事案ごとに修正して算出する割合であり、特別受益や寄与分などを踏まえて算定されるものをいいます。
2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、相続時精算課税制度の適用はどうなりますか?
いくつかの財産を今年(2022年)中に生前贈与しようと思います。受贈者のうち、今年4月に高校3年生になった孫を含めようと思っていますが、この孫は、相続時精算課税制度を適用することはできるのでしょうか。
孫は2004年8月生まれです。
2022年1月1日現在、お孫さんは18歳ではないため、2022年中の贈与について相続時精算課税制度を選択して適用することはできません。
相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において、自ら選択することで適用することができる制度です。
その特徴としては、主に以下のとおりです。
なお、贈与者と受贈者の年齢制限については、以下のとおりです。
その年1月1日現在の年齢 | |
贈与者 | 60歳以上 |
受贈者 | 20歳以上 (2022年4月1日以後は18歳以上) |
これまで成年年齢が「20歳」であったため、受贈者の年齢について、贈与の年の1月1日現在において「20歳以上」か否かで判定をしてきました。
これが民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、年齢要件が「18歳以上」と改正されて、「18歳以上」か否かで判定することとなりました。
この改正は2022年4月1日以後の贈与から適用となるため、2022年中の贈与はこれまでの判定要素に加え、「何月の贈与」なのかも確認しないと判断できないこととなります。
ご相談のケースは、2022年1月1日現在、お孫さんは17歳です。そのため、仮に2022年4月1日以後に贈与をしたとしても、受贈者の年齢要件を満たすことはできないため、相続時精算課税制度を選択適用することはできません。
なお、仮に贈与を実行した場合には、暦年課税により贈与税を計算することとなります。その場合においても、2022年1月1日現在のお孫さんの年齢は17歳であることから、2022年中の贈与は「一般税率」を適用して贈与税の計算を行うこととなります。
贈与税の計算に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
<参考>
国税庁HP「No.4103 相続時精算課税の選択」、「民法の改正(成年年齢引下げ)に伴う贈与税・相続税の改正のあらまし」PDFなど
2022年5月27日
大量消費が豊かさの象徴としてもてはやされ、
欲しい物は躊躇なく手に入れ、使い終われば捨ててしまう。
そんな風向きが大きく変化したのは、
リーマンショックを前後として押し寄せたデフレの波でした。
リサイクル、リユースへの志向が一気に強まり、
洋服やバックなど、流行が過ぎると捨てられていたものまで、
中古品市場で取引されるようになりました。
最近では、インターネットのショッピングモールや、
リユース企業の実店舗で取引されていたものが、
フリマアプリなどネットを通じて個人間で直接売買する様になり、
売れるものならば捨てる前に出品しようという風に変わりました。
その様な個人売買のあおりを受けて、中古品取引大手のブックオフも、
古本中心の事業からの転換を迫られています。
百貨店などに買い取り窓口を設け競合の少ない、
富裕層向けにサービスを拡充させています。
ブックオフの創業者 坂本孝氏が、古本に目をつけたのは、
1990年の春のことでした。
たまたま通りかかった商店街で目にした光景は、本に群がる黒山の人だかり。
よく見ると、コミック本の古本の山に若者が我先に争って手にとっていました。
定価の何分の一で売りに出された、コミック本はあっという間に売れて、
店主の手元に置かれた、かごの中にはお金が溜まっていったのです。
中古のコミック本には、昔ながらの「古書」というイメージはまったく無く、
一度読んでしまえば、タダ同然になってしまうのだと感じたのでした。
このように、若者から若者へコミックを売買し、
循環させるような仕組みは作れないかと、坂本氏は考えたのです。
読み終えたコミック本を定価の1割で若者から買い取り、
リフレッシュした後、定価の半分で売る。
それまでは、古本屋の店主の目利きに頼っていた金額の査定を、
アルバイトでも簡単に出来るようにしたのが、ブックオフだったのです。
新・古本屋ともいえるスタイルの原動力となったのは、
仕入れ値と販売価格の差額、いわゆる粗利率の高さなのです。
このことが示しているのは、経営で使う用語「付加価値」なのです。
ブックオフの場合、お客として買う立場に立ってみると、
さほど汚れていない古本を半額で手に入れることができ。
また、(お客として)売る立場に立ってみると、古紙回収に出せばタダ同然のものが
定価の1割で引き取ってもらえるのです。
つまり、顧客は両方の立場で、メリットがあるのです。
そんな、ブックオフへ古本を持ち込む若者は、
読み終えたコミック本や文庫本を何十冊と携えて来店し、
売ったその代金で、気に入った古本やCDを買って帰るのも珍しくありません。
「付加価値」が高ければ、販売に関するいろいろなことを
充実させることが出来るのです。
そうなれば、人が多く集まるような家賃が高い場所に出店することが可能になり、
給与を多く払ってでも、良い人材を募集することも出来ます。
また、従業員の教育にお金をかけたり、様々な形で広告費を行うこともできます。
このようなことが、良い形で循環することにより、
会社としては利益を生み出せる体質に変わっていくことになるのです。
2022年5月23日
所有する土地が大深度地下使用法の適用を受ける場合、相続税評価額の算定において軽減措置はありますか?
私が東京郊外に所有する土地の地下深くに高速道路のトンネルが通ることになっていますが、事業者からは『大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(以下、大深度地下使用法)』の適用対象となるため、補償は行わないといわれています。そうなると、将来的に相続が発生した場合の相続税評価においても、何らかの軽減措置が講じられることはないのでしょうか。
土地の相続税評価額の計算上、『大深度地下使用法』の適用対象となることをもって何らか軽減される措置は、現状用意されておりません。
土地の所有権の及ぶ範囲について、民法第207条では「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定されています。
したがって、高速道路や鉄道の地下トンネルなどの工作物を他人の土地の地上ないし地下に設置する場合、その土地所有者の承諾を得る必要があります。民法第269条の2では、「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」としており、この権利を「区分地上権」といいます。
また、区分地上権を設定する場合、「設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる」とされています。具体的には、地下にトンネルなどの工作物を設置するような場合、地上建物の荷重制限や地下室の設置ができないといったような制限です。例えば、本来は地上8階地下2階建の建物が建築できる土地であるのに、区分地上権の設定により地上5階地下1階建の建物しか建築できない、といったケースがこれに該当します。
区分地上権について相続税評価額を算定するにあたり、その評価方法は財産評価基本通達27-4で以下のとおり定められています。具体的には、土地の利用が阻害される程度に応じた価値の減分を反映した評価方法が取り入れられています。
一方、『大深度地下使用法』という法律では、土地所有者による通常の利用が行われない大深度地下空間に使用権を設定するための要件・手続等が定められており、公共の利益となる一定の事業を行う場合、国や地方公共団体の認可を受ければ、土地所有者の同意を得ずに当該大深度地下空間を使用することができるとされています。
具体的な要件等は以下のとおりです。
大深度地下空間は、土地所有者による通常の利用が行われない空間であり、利用が制限されても実質的な損失が生じないことから、公的な使用権の設定を土地所有権に優先させるという考え方に基づいています。例外規定として、具体的な損失が生じた場合には、大深度地下使用認可の告示の日から1年以内に限り補償を請求できる、とされていますが、それ以外に補償を請求できるケースは規定されていません。
上記3.の考え方を反映してか、大深度地下使用法の適用を受ける土地について、財産評価基本通達において特段の評価方法は定められていません。したがってご相談のケースでは、『大深度地下使用法』の適用対象となることをもって、何らかの軽減がされることはないと考えます。
土地の相続税評価額に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
2022年5月9日
相続に伴い契約者変更をした生命保険の税金について教えてください。
亡くなった父の相続手続きにあたり、父が管理していた書類を整理したところ、契約者が父、被保険者が私(A)になっている生命保険が見つかりました。2年後満期になったときに満期保険金がおりる契約です。
保険会社に確認したところ、契約者を父から私に変更して引き継ぐよう案内され、この手続きは完了しました。引き継いだ生命保険は、父の相続に係る相続税においてどのように扱われるのでしょうか。また、引き継いだ後、私が受け取る満期保険金の税金についても教えてください。
ご相談のケースでは、相続により引き継いだ生命保険は、「生命保険に関する権利」として、お父様がお亡くなりになった時点の解約返戻金相当額に未経過保険料等を加算等した額が相続税の課税対象となります。また、Aさんが受け取ることとなる満期保険金は、所得税(一時所得)の対象となります。
被保険者とは異なる契約者が保険契約期間中に死亡した場合は、契約者の変更を行います。
変更後の新しい契約者は、その契約の権利を引き継ぐことになります。
引き継いだ生命保険は、「生命保険に関する権利」として相続税の課税対象となります。
評価額は、原則、契約者が死亡した時点の解約返戻金の額となります。
ただし、ご相談のケースのように、保険料が前納されており解約返戻金とは別に受け取ることができる未経過保険料がある場合や、配当金等がある場合は、解約返戻金に未経過保険料や配当金の額を加えた額が評価額になります。
なお、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合は、当該金額を控除することができます。
“生命保険”となると、死亡保険金の非課税枠を思い浮かべるかと思います。
しかし、ご相談のケースは保険事故が発生していない生命保険であり、本来の財産として取扱われます。死亡保険金の非課税枠(※)の適用ができる被相続人の死亡を保険事故として受け取る生命保険とは異なるため、死亡保険金の非課税枠を適用することはできません。
※ (500万円×法定相続人の数)を限度として、相続税の計算上非課税とすることができる制度です。
将来Aさんが受け取る満期保険金は、契約者と満期保険金受取人が同一であるため、所得税(一時所得)の対象となります。一時所得の計算においては、相続により権利を引き継いだ生命保険は、引き継いだ契約者自らが当初から保険料を負担したものとして取扱います。
なお、契約者が被保険者より先に亡くなって引き継がれる生命保険は、相続財産の確認において漏れやすいため、税制改正により保険会社から税務署へ発行される調書の見直しがされており、現状では死亡により契約者が変更された一定の契約については、一定事項を記載した支払調書が所轄税務署長へ提出されることとなっています。
税務署にとっては死亡による契約者変更の事実を把握しやすくなりましたが、ご遺族としてはどのように扱えばよいか分かりづらい契約形態であることに変わりありません。
相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。