義父からのマイホーム資金援助について、贈与税の非課税の特例は適用できますか?
マイホームを取得するために親族から受けた資金援助については、一定の金額まで贈与税がかからない特例があると聞いています。
私は年内にマイホームの取得を予定しており、その取得資金の一部について義父から援助を受ける予定です。この場合、この特例は使えますか?
なお、義父と養子縁組はしていません。
ご相談のケースにおける義父からの贈与は、マイホームを取得するための資金援助に係る贈与税の特例、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」は適用できません。
1.住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例
マイホームを取得するための資金援助に係る贈与税の特例(住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例、以下、特例)は、様々な要件があります。そのうちの1つに贈与者と受贈者との間柄があります。
贈与者と受贈者との間柄(要件):
受贈者は、贈与を受けたときに贈与者の直系卑属であること
→言い換えると、
「贈与者は、贈与をしたときに受贈者の直系尊属であること」2.直系尊属、直系卑属
直系尊属(卑属)の“直系”とは、自分を中心に縦の関係にある者をいいます。
(1)直系尊属
“尊属”は、自分を中心に上の者、つまり前の世代を指します。
よって直系尊属とは、自分からみて父・母・祖父・祖母などを指します。
(2)直系卑属
“卑属”は、自分を中心に下の者、つまり次の世代を指します。
よって直系卑属とは、自分からみて子・孫などを指します。3.義父は直系尊属?
ご相談のケースは、“義父”からの贈与でした。
“義父”は、受贈者と養子縁組をしている場合を除き、受贈者からみて直系尊属には該当しません。
そのため特例の要件に該当せず、適用を受けることはできないことになります。
この“義父”との間の贈与については、暦年課税による贈与税の計算の際の贈与税率にも影響があります。
暦年課税による贈与税の計算の際の贈与税率は、『一般税率』と『特例税率』があり、特例税率の方が『一般税率』に比べて税率が低い傾向にあるのが特徴ですが、“義父”との間の贈与は『一般税率』を適用することとなります。
なお、この特例を適用するための要件は、上記以外にもたくさんあります。マイホームを取得するための資金贈与をお考えの場合には、まず当事務所へご相談ください。
<参考文献>
国税庁HP「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。