路線価の全国の平均変動率は3年連続の上昇となり、上昇幅も拡大しました。地価が継続的に上昇していることが路線価にも反映されています。
先日、平成30年の「路線価」が公表されたというニュースを見ました。今年の結果の特徴を教えてください。
都市部においては、インバウンドや再開発の進展に伴う繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入により、地価が継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。
路線価は、相続税や贈与税の算定の基準となるもので、3月に国土交通省が発表した地価公示と同様、毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したもので、国税庁が公表しています。地価公示価格等を基として算定した価格の80%を目安に評価されています。平成30年分の路線価は、平成30年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の申告に利用されることになります。
今回の路線価の概況をみてみましょう。全国の平均変動率は0.7%の上昇となりました。0.4%の上昇となった前年に続き3年連続の上昇となり上昇幅が拡大しました。47都道府県のうち、上昇幅で前年を上回ったのは沖縄県、東京都、宮城県など18都道府県で、昨年の13都府県から増加しました。一方、前年より下落した県は秋田県、愛媛県、三重県など29県であり、昨年の32県から減少しました。
都道府県庁所在地の最高路線価をみると、33都市が上昇し、前年の27都市から拡大しました。横ばいは13都市、下落したのは水戸市のみで、昨年の3都市から減少しました。地点別の最高路線価地は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」の前が1平方メートルあたり4,432万円で33年連続日本一となりました。東京・銀座に続く第2位は大阪・梅田の1,256万円(前年比+6.8%)、3位は神奈川・横浜駅西口の1,024万円(同+13.3%)と続いています。一方、最高路線価が最も低かった都道府県庁所在地は鳥取の11万円であり、秋田の12万円が続いています。東京・銀座の路線価は鳥取の路線価の約400倍ということになります。
上述のように都市部においては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来訪者の増加や、再開発の進展による繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入が続いていることから地価は継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。
路線価については、下記の路線価図等閲覧のページで確認できます。
平成30年分路線価図等閲覧
国税庁の発表資料(都道府県庁所在都市の最高路線価についても掲載)
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