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万一に備えるための~保険の相続対策 財産債務調書と生命保険の価額

 財産債務調書に記載する生命保険の価額は、どのように算定すればよいのでしょうか。




 確定申告時、顧問税理士から「財産債務調書を提出する必要があるかもしれないので、財産の価額を確認して欲しい」と言われました。生命保険についても確認するように言われましたが、生命保険の価額はどのように算定すればよいでしょうか?




 ご相談の生命保険の価額、具体的には保険に関する権利の価額、定期金に関する権利の価額については、基本的にはその年の12月31日に生命保険を解約する場合に支払われることとなる解約返戻金の額とされています。ただし、保険会社等からその年の12月31日前の日において生命保険契約を解約する場合に支払われることとなる解約返戻金の額が分かる場合には、その解約返戻金の額を財産の価額として差し支えありません。




 国税庁は、財産債務調書の提出制度(FAQ)(平成28年11月)の中で、次のように記しています。

【保険に関する権利の価額】
Q 生命保険に加入していますが、この生命保険の価額はどのように算定すればよいのですか。
 なお、加入している生命保険契約は満期返戻金のあるものです。

(答)
 保険(共済を含む。)に関する権利の価額は、その年の12月31日にその生命保険契約を解約することとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額をその財産の価額とします(通達6の2-9(13)イ)。
 なお、加入している生命保険契約が、満期返戻金を定期金(年金形式)で受け取ることができる内容のものであっても同様の方法により価額を算定します。
(注)損害保険契約に関する権利の価額についても同様の方法で算定します。

 ただし、保険会社等から、その年中の12月31日前の日においてその生命保険契約を解約することとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額を入手している場合には、その額をその財産の価額として差し支えありません(通達6の2-9(13)イただし書)。

【定期金に関する権利の価額】
Q 生命保険契約に基づく定期金(年金)を受け取っていますが、その価額はどのように算定すればよいのですか。

(答)
 給付事由が発生している生命保険契約に基づく定期金についても、保険(共済を含む。)に関する権利の価額は、その年の12月31日にその生命保険契約を解約することとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額をその財産の価額とします(通達6の2-9(13)イ)。
(注)損害保険契約に関する権利の価額についても同様の方法で算定します。

 ただし、保険会社等から、その年中の12月31日前の日においてその生命保険契約を解約することとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額を入手している場合には、その額をその財産の価額として差し支えありません(通達6の2-9(13)イただし書)。


 解約返戻金の額は、契約されている生命保険会社の担当者、コールセンター、取扱代理店に照会することになります。保険会社によって照会に時間を要する場合があるようです。期日に余裕を持ってご照会なさるとよいでしょう。
 また、保険会社から契約者へ年1回定期的に送付される「ご契約内容のお知らせ」には、解約返戻金の額が記載されていない場合がありますので、ご注意ください。  また、保険契約者向けのサービスとして、インターネットから解約返戻金の照会ができる生命保険会社もありますが、利用には登録が必要です。登録方法等は、保険会社から送付される案内や保険会社ホームページ等でご確認ください。

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トラブルにならないための~法律の相続対策 遺言の修正・撤回

 今回は相談事例を通じて、遺言の修正や撤回についてご紹介します。

 



 私は以前、公正証書で遺言を作りました。財産の内容も変わったので、もう一度作り直したいと思っています。今回も必ず公正証書で作らなければならないのでしょうか。




 既にある遺言を作り直すときに、前回と同じ要式で作る必要はありません。以前作った公正証書による遺言を自筆証書遺言によって作り直すことも可能です。




 遺言を作り直すことにより撤回という効力が生じます。遺言を撤回する際に、撤回する遺言の全文又は一部を特定した上で、これを「撤回する」と明確に記載することが望ましいといえます。
 明確に「撤回する」という言葉を用いなくても、以前作成された遺言と内容の抵触する遺言がされていれば、抵触する部分について撤回したものとみなされますが、撤回の意思を明確にするためにも、いつ作った遺言を撤回するかを明確にした上で、新たな遺言を作ると良いでしょう。

 既に作成した遺言を全て撤回する方法だけでなく、一部を変更することも可能です。

【1】前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなします(民法1023条1項)。
【2】遺言と抵触する生前処分がされた場合には、抵触する部分について遺言を撤回したものとみなします(民法1023条2項)。

 複数の遺言の内容が抵触する場合には、後の日付の遺言が優先されます。もちろん、後の日付の遺言が有効なものでなければ、撤回の効力は生じません。また、日付の異なる複数の遺言があった場合に、それぞれ遺言の内容が抵触しなければ、すべての遺言が有効となります。

 遺言が残されていた場合、書いてある内容によって遺されたご家族が内容の解釈・判断に迷うケースがあります。大切なご家族のためにも、またきちんと希望を叶えるためにも、遺言作成時には専門家に相談することをお勧めします。

 

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お金に困らないための~税金の相続対策 自宅相続で相続税が安くなる特例

 亡母名義の自宅を相続すると、相続税が安くなる特例が受けられると聞きました。どのような特例でしょうか?




 1人で暮らしていた母が亡くなりました。母が住んでいた母名義の自宅を相続すると、相続税が安くなる特例が受けられると聞きました。どのような特例でしょうか?




 ご相談の特例は、「小規模宅地等の減額特例」という制度です。
 この制度は、亡くなった方がお住まいだった居住用の土地等を、一定の要件に該当する相続人が相続した場合には、その土地の評価について330㎡までの部分について評価額を80%減額できる、という特例です。




 次の計算例で、減額できる評価額を計算してみましょう。

 次に、ご相談の場合におけるこの制度の適用可否について、次のフローチャートで確認してみましょう。

 ご相談のようなパターン以外でも、この特例を受けることができる場合があります。

 この特例は、要件を満たした土地等を、要件を満たした方が相続する場合に限り適用できます。誰がどの土地を相続するかによって、納める税金が大きく異なります。
 相続発生後に要件を満たすための手当てはできませんので、事前に専門家と相談・検討するなどをし、適用要件の実態を整えましょう。

 なお、居住用の土地以外に事業用等の土地についても、減額制度が設けられています。


<根拠条文> 措法69の4

 

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家と財産を守るための~不動産の相続対策 相続登記はいつまでに行うべきか

 引き継いだ家の相続登記をしていません。相続登記には相続税の申告のような期限がありますか?




 3年前に母が亡くなったとき兄弟で話し合い、当時母と同居していた私が母名義の家を引き継ぎ、そのまま現在に至ります。ただし、相続登記はしていません。相続登記には相続税の申告のような期限がありますか?




 相続登記を行うのに法令上の期限はありませんが、相続登記を行って権利を公に確定させると、その後の不動産の処分等の手続きはスムーズです。早めに相続登記を完了させることで、結果的に手続きが簡易になり、費用も抑えられます。




 法令上、相続税の申告は被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に行う必要がありますが、相続登記に期限はありません。そのため、そのまま放置していても法令上の罰則などはありません。ただし相続登記を済ませておかないと、法的な地位がなく公に権利を証明できないため、仮に当時合意していたとしても、将来的に他の相続人等ともめる可能性があります。また、相続した不動産を売却したいときや、相続した不動産を担保に銀行等から融資を受ける場合などの際の手続きが進みません。


 その他、相続人が複数いる場合に不動産の相続登記をするには、遺産分割協議書が必要です。遺産分割協議書とは、相続人の間で遺産分割の協議をし、その内容を記した書類(実印押印、印鑑証明書添付)です。遺産分割協議書が作成されていなければ、不動産の相続登記ができないばかりか、口頭で遺産分割に同意した他の相続人が亡くなった場合、単独で不動産を取得するためには、さらにその相続人の協力が必要になります。

 例えば、長男と三男の同意の上、次男が親の家を引き継いだ場合です。この場合、兄弟で遺産分割協議書を作成しない間に、長男に相続が発生すると、次男が親の家を単独で所有するためのハードルが上がります。なぜなら次男は、兄の相続人及び弟と親の家を自分が引き継ぐ内容の遺産分割協議書を作成しなければ、その家を単独で相続することができなくなるからです。兄弟の子世代(2世)であれば、交流は図りやすく意思疎通がしやすいため、遺産分割協議がまとまる可能性は高いと思われますが、兄弟の子世代(2世)に相続が発生すると、孫世代(3世)の同意が必要になってきます。孫世代までとなると交流が図りづらく権利関係が複雑化し、遺産分割協議は一筋縄ではいかない可能性が高まります。

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万一に備えるための~保険の相続対策 会社が契約していた生命保険を遺族が受け取ったとき

 会社が契約していた生命保険を遺族が受け取ったとき、相続税はかかりますか。




 先月、夫が亡くなりました。その数週間後に夫が勤務していた会社から、会社で契約していた生命保険があるので請求手続きをお願いしたい、と連絡がありました。以下の契約内容による死亡保険金を配偶者である私が受け取った場合、相続税はかかりますか?

 <契約内容>
  ・保険種類:養老保険
  ・契約者、保険料負担者:会社 
  ・被保険者:夫
  ・死亡保険金受取人:被保険者の配偶者




 ご主人様が勤めていた会社が、この生命保険契約による死亡保険金を「退職手当金等として支給する」と定めている場合と、そうでない場合とで税の取扱いが異なります。




1.「退職手当金等として支給する」と定めている場合
 退職手当金等に該当し、みなし相続財産として相続税の対象になります。
 この保険金を相続人が受け取った場合には、退職手当金等に係る非課税措置(限度額=500万円×法定相続人の数)を適用することができます。この場合の相続人とは、相続を放棄した人や相続権を失った人は除かれます。ご相談者様がこれら相続人から除かれる人に該当しなければ、相続人として非課税措置を適用することができます。
            
2.上記以外の場合
 会社が契約して保険料を負担していても、被保険者の相続人その他の者が死亡保険金を受け取った場合、会社が負担した保険料は、被保険者である夫が負担していたものとして取扱われます。
 よって、夫が個人で契約していた生命保険と同じように 死亡保険金はみなし相続財産として、相続税の対象になります。
 この死亡保険金を相続人が受け取った場合は、上記の退職手当金等とは別の非課税措置として、死亡保険金の非課税措置(限度額=500万円×法定相続人の数)を適用することができます。
 この場合の相続人も上記1.と同様に、相続を放棄した人や相続権を失った人は除かれます。ご相談者様がこれら相続人から除かれる人に該当しなければ、相続人として非課税措置を適用することができます。

 なお、いずれの場合も実際に相続税が発生するか否かは、ご主人様の他の相続財産等を含めた総額で判断することになります。

 

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トラブルにならないための~法律の相続対策 古い戸籍で発行されない場合は?

 今回は相談事例を通じて、戸籍が古くて発行されない場合の対応についてご紹介します。

 



 夫が亡くなりましたが、私達夫婦には子供がおらず、両親ともすでに亡くなっています。亡夫名義の土地の名義を変更しようとしたところ、亡夫の兄弟も相続人になるので、兄弟の戸籍等も必要になるといわれました。

 そこで市役所で戸籍を取得しようとしたところ、古い戸籍は発行されないとのことでした。戸籍が発行されない場合は、どうしたらよいでしょうか。




 被相続人に子がおらず、両親(祖父母も)死亡している場合は、兄弟姉妹が相続人になります(民法第889条)。

 この場合、相続人である兄弟姉妹を特定するために、不動産登記手続き等では、被相続人(亡夫)の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本のほか、被相続人の両親についても出生から死亡までの戸籍・除籍謄本が必要となります。被相続人の兄弟姉妹ということは、被相続人の父母の子供を全て確認する必要があるからです。よって、場合によっては明治時代の戸籍などまで遡って取得する場合も多くあります。




 高齢の方の兄弟姉妹相続の場合に多いのですが、そのご両親の戸籍謄本について古い戸籍が取得できないことがあります。保存期間の満了や、戦争・火災等による滅失等で役所に保存されていない場合です。

 不動産登記(相続による所有権移転登記等)の場合、従来、そのような場合には、取得できる戸籍・除籍謄本のほかに、滅失等により除籍等の謄本を交付することができない旨の市町村長の証明書及び「他に相続人はいない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書付)が必要でした。相続人全員による証明書とは、古い戸籍が取得できないために、被相続人の両親の子供(被相続人の兄弟)が他にいないことを証明することができず、その代替として、判明している相続人全員で、「他に相続人はいない」ことを法務局に対して申し述べるもので、不動産登記に特有の書類です。

 しかし、今般、相続人全員による証明書(印鑑証明書付)は不要となり、「滅失等による除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書があれば、相続登記は手続ができることとなりました(平成28年3月11日法務省民二第219号 通達)。これによって、疎遠の相続人に証明書にサイン押印もらうことや、遺産分割協議がまとまった後、さらに証明書にサイン押印をもらう手間や相続人のストレスが減り、よりスムーズに手続きができることとなります。

 

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お金に困らないための~税金の相続対策 不動産収入の移転による相続税対策

 継続的な収入により金融資産が減らないとき、相続対策として良い方法はないでしょうか。




 不動産賃貸業を営んでいる父は、賃貸マンションや金融資産をそれなりに保有しています。そのため相続対策として、毎年子や孫へ現金贈与を行っていますが、不動産収入が継続的に入るため、金融資産が減りません。何か良い方法はありませんか。




 継続的に所有不動産からの収入が入ってくる方にとっては、現金贈与による対策は“焼け石に水”という場合があります。入ってくる不動産収入以上に贈与すれば、財産を減らしていくことはできますが、それでは贈与税の負担ばかりが大きくなります。そこで発想の転換をし、入ってくる不動産収入を減らすことを考えてみてはいかがでしょうか?
 収入を減らすといっても、入居者から頂く賃貸料を減らしたり、賃貸を止めたり、本当に入ってくる収入を減らしてしまっては本末転倒です。子や孫へ現金を贈与する代わりに、将来の不動産収入の元となる資産を贈与してしまうのです。




 具体例で見てみましょう。

 賃貸マンションを贈与しても、毎年現金700万円を贈与しても、毎年700万円というお金が子の懐に入るということに変わりありません。にも拘わらず、10年後にトータルで支払うべき税額で918万円もの差が生じる結果となりました。

 収入のある不動産を贈与するということは、その物件から将来的に生ずる収入を、無税で贈与できる、という効果をもたらします。
 また、子の方が適用される所得税率が低い場合には、所得税負担が軽減されることもあるでしょう。

 不動産収入の贈与のポイントは、該当不動産全てを贈与するのではなく「建物のみ贈与する」ということです。敷地も贈与を受けるとなると、贈与税が非常に高額になってしまいます。入居者から家賃を受け取るべき人は、建物の所有者です。従って、敷地の所有は父のまま無償(使用貸借)で借りれば良いのです。
 ただし、土地の評価に当たっては注意が必要です。賃貸マンションの敷地は、本来なら貸家建付地評価として評価額から一定額控除できます。しかし、「建物名義が子」、「土地名義が父」の場合で土地の使用対価が無償であれば使用貸借となり、敷地を評価する際には、原則として貸家建付地割合を控除することができません。

 また、賃貸マンションの建築に係る借入金の残債がある場合にも注意が必要です。賃貸マンションの贈与とともに借入金も引き継がせた場合には、負担付贈与に該当します。負担付贈与の場合には、受贈者は時価により贈与税課税され、また、贈与者は時価で譲渡したものとみなして譲渡所得税が課税されます。

 賃貸物件の贈与は、贈与から相続開始までの期間が長ければ長いほど、移転できる不動産収入が多くなり、贈与による効果が大きくなります。

 物件の利回り、敷地の相続税評価額、建物の取得に係る借入金の有無などを考慮し、的確な物件を選定することで、大きな税効果が期待できます。収益物件を所有されている方は、一度ご検討ください。

 

<まとめ>

  • 「建物名義が子」「土地名義が父」の場合で土地の使用対価が無償であれば、敷地の相続税評価は使用貸借として自用地評価となります。
    貸家建付地評価と自用地評価との差額による相続税への影響に注意しましょう。
  • 早期贈与で収入移転額をより大きくしましょう。
    少しでも多くの不動産収入を次世代に移転させることにより、より一層の税効果が期待できます。
  • 借入金の残債がない建物を選定しましょう。
    贈与とともに借入金も引き継がせる場合には負担付贈与となり、贈与税と所得税のどちらも課税される場合があります。

<根拠条文> 相法19、21の9~15、昭和48年11月1日付直資2-189

 

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家と財産を守るための~不動産の相続対策 高圧線下にある土地の相続税評価

 高圧線が土地の上空を通っていると、相続税評価額は低くなりますか。




 高圧線が相続する予定の土地(宅地)の上空を通っています。このような場合、相続税評価額は低くなるのでしょうか。




 ご相談のケースの土地が「高圧線下地」であれば、相続税評価額の計算上、「区分地上権に準ずる地役権」に該当し、一定の減額が認められています。




 一般に「特別高圧」(7000ボルト以上)の送電線の下に位置する土地を、「高圧線下地」といいます。この「高圧線下地」における土地の利用は、高圧線の電圧に応じて一定の建築制限が課されることから、土地の価値が下がることが一般的です。

 相続税の計算においても、その土地の評価額について一定の配慮があります。「高圧線下地」の場合、上空を高圧線が通っていることから、実質的には区分使用のために地役権を設定しているものとして、「区分地上権に準ずる地役権」に該当し、相続税・贈与税を計算する際に対象財産の価額評価基準として国税庁が定めている財産評価基本通達において、次のように評価方法が定められています。

27-5 区分地上権に準ずる地役権の価額は、その区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の自用地としての価額に、その区分地上権に準ずる地役権の設定契約の内容に応じた土地利用制限率を基とした割合(以下「区分地上権に準ずる地役権の割合」という。)を乗じて計算した金額によって評価する。  この場合において、区分地上権に準ずる地役権の割合は、次に掲げるその承役地に係る制限の内容の区分に従い、それぞれ次に掲げる割合とすることができるものとする。(平3課評2-4外追加、平6課評2-2外・平12課評2-4外改正)
(1) 家屋の建築が全くできない場合 100分の50又はその区分地上権に準ずる地役権が借地権であるとした場合にその承役地に適用される借地権割合のいずれか高い割合
(2) 家屋の構造、用途等に制限を受ける場合 100分の30

 


 ここで「区分地上権」とは、工作物を所有するため、他人の土地の地下または空間を上下の範囲を定めて使用できる権利(地上権)をいいます。この「区分地上権」は、工作物の所有目的に限られることや土地所有者にとって負担が大きいことから、地役権という権利で代替されることがあります。地役権とは、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利をいい、便益を供する側の土地を「承益地」、便益を受ける側の土地を「要益地」といいます。

 「区分地上権に準ずる地役権」は、登記されている場合とされていない場合があります。公図からも読み取れないため、住宅地図などで近くに鉄塔がないか、あった場合には鉄塔と鉄塔を結ぶ線が対象土地の上を通過していないかを机上で調べる必要があります。さらに、現地で上空を見渡して確認することも必要です。制限の内容などは地役権の設定登記や電力会社との契約を確認することになりますが、不明な場合は鉄塔に番号札が掲示されていますので、その番号に基づき電力会社に利用制限内容を問い合わせることになります。

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お金に困らないための~税金の相続対策 相続した実家に係る特例

 相続した実家を売却する場合の税金の特例について、教えて下さい。




 昨年実家で一人暮らしをしていた母が亡くなりました。実家の土地建物は私が相続しましたが、私もマイホームを別に構えており、実家を管理所有し続けていくのは難しい状況であるため、売却することにしました。相続した実家を売却する場合の税金の特例について、教えて下さい。




 相続されたご実家を売却した場合には、その譲渡所得を計算する際に「空き家に係る譲渡所得の特別控除」または「相続税の取得費加算の特例」を適用できる可能性があります。




 空き家に係る譲渡所得の特別控除とは、相続人が被相続人の居住用家屋を相続した場合で、一定の要件に該当するときは、その家屋及びその敷地の譲渡所得から3,000万円の特別控除額を控除することができる特例です。

 

 相続税の取得費加算の特例とは、相続人が相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、その相続人が納付すべき相続税額のうち、一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる特例です。

 なお、これらの特例は併用できません。どちらか一方を選択し、適用します。また譲渡期限にもご注意ください。

<まとめ>

  • 「空き家に係る譲渡所得の特別控除」と「相続税の取得費加算の特例」は、併用適用することができません。

<根拠条文> 所法33、38、措法35、39、措令20の3、23、24の2、25の16、措規18の2、18の18

 

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トラブルにならないための~法律の相続対策 生前贈与の法律上の取扱い

 今回は相談事例を通じて、生前贈与の法律上の取扱いについてご紹介します。




 相続対策として、生前に子供(推定相続人)に贈与したいと思っています。贈与税や相続税についての留意点はよく聞くのですが、実際に相続が起きた場合に何か相続人間で問題になることはあるでしょうか。




 最近、相続対策としての「生前贈与」の活用をよく耳にします。皆さんの中にも、お子様へ生前贈与をされている方も多いのではないでしょうか。

 贈与税や相続税についての取り扱いについては、心配でご自身で調べたり税理士さんに相談したりする方も多いと思われますが、この生前贈与、実際に相続が起こったときの取り扱いについては意外と知られていないのが実情です。




 民法上、相続人間での遺産分割協議や遺留分減殺請求をする際には、相続人に対してされた生前贈与は、「特別受益」といわれ、生前贈与がされた時期に関係なく、各人の具体的相続分や遺留分の算定に、生前贈与を含めて(これを「持ち戻し」といいます)計算されてしまいます。贈与者の意思で特別受益の持ち戻しを免除することは認められていますが、それでも相続人の遺留分を侵害することはできず、将来的に生前贈与を巡って争いになることは決して少なくありません。

 特に、事業承継の一環として自社株を生前贈与した場合などは、相続開始時の評価で持ち戻しの計算をしますので、贈与当時から株価が上昇していると、想定外の事態に陥ることもあります。

 このように、生前贈与の取り扱いは、税務上だけでなく、相続人間でも重要な問題となりますし、その計算過程も複雑ですので、贈与をご検討の際には一度専門家に相談されることをおすすめします。

 

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