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家と財産を守るための~不動産の相続対策 平成30年路線価について

 路線価の全国の平均変動率は3年連続の上昇となり、上昇幅も拡大しました。地価が継続的に上昇していることが路線価にも反映されています。




 先日、平成30年の「路線価」が公表されたというニュースを見ました。今年の結果の特徴を教えてください。




 都市部においては、インバウンドや再開発の進展に伴う繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入により、地価が継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。




 路線価は、相続税や贈与税の算定の基準となるもので、3月に国土交通省が発表した地価公示と同様、毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したもので、国税庁が公表しています。地価公示価格等を基として算定した価格の80%を目安に評価されています。平成30年分の路線価は、平成30年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の申告に利用されることになります。

 今回の路線価の概況をみてみましょう。全国の平均変動率は0.7%の上昇となりました。0.4%の上昇となった前年に続き3年連続の上昇となり上昇幅が拡大しました。47都道府県のうち、上昇幅で前年を上回ったのは沖縄県、東京都、宮城県など18都道府県で、昨年の13都府県から増加しました。一方、前年より下落した県は秋田県、愛媛県、三重県など29県であり、昨年の32県から減少しました。

 都道府県庁所在地の最高路線価をみると、33都市が上昇し、前年の27都市から拡大しました。横ばいは13都市、下落したのは水戸市のみで、昨年の3都市から減少しました。地点別の最高路線価地は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」の前が1平方メートルあたり4,432万円で33年連続日本一となりました。東京・銀座に続く第2位は大阪・梅田の1,256万円(前年比+6.8%)、3位は神奈川・横浜駅西口の1,024万円(同+13.3%)と続いています。一方、最高路線価が最も低かった都道府県庁所在地は鳥取の11万円であり、秋田の12万円が続いています。東京・銀座の路線価は鳥取の路線価の約400倍ということになります。

 上述のように都市部においては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来訪者の増加や、再開発の進展による繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入が続いていることから地価は継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。

 路線価については、下記の路線価図等閲覧のページで確認できます。 

 平成30年分路線価図等閲覧
 国税庁の発表資料(都道府県庁所在都市の最高路線価についても掲載)

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万一に備えるための~保険の相続対策 保険金を年金で受け取った場合の税金

 死亡保険金を一括で受け取る場合と年金形式で受け取る場合では、税金の負担が異なります。年金形式で受け取る場合、年金受給時にも課税があります。




 先日、父が亡くなり、父が加入していた保険の死亡保険金を受け取ることになりました。契約者、被保険者とも父で、保険料も父が支払っていました。この契約には、年金支払特約が付いており、保険会社から死亡保険金を一括で受け取るか、全部または一部を年金(分割)で受け取ることもできるという説明を受けました。受け取り方によって、税金は変わってくるのでしょうか?




 相続等により受け取る被相続人が保険料を負担していた死亡保険金の相続時の評価額は一括受取か、年金受取かで異なります。加えて、年金受取の場合、受給開始2年目以降はその年金受取額の一部が雑所得として、個人所得税及び住民税が課税されます。




 死亡保険金を一括で受け取るか、年金(分割)で受け取るかによって、税金は以下の通りとなります。



一括で受け取る場合
 一括で受け取った死亡保険金額が、相続税の課税対象となります。
 この時、受取人が相続人であれば、「500万円×法定相続人の数」を限度として、死亡保険金の非課税枠が適用できます。

年金(分割)で受け取る場合
 死亡保険金を年金で受け取る場合、まずは、相続開始時点での年金受給権が、相続税の課税対象となります。受取人が相続人であれば、死亡保険金の非課税枠が適用できます。

 さらに、毎年受け取る年金は、雑所得として所得税、住民税の課税対象となります。
 支払いを受ける年金に係る雑所得の計算は、課税部分と非課税部分に振り分けた上で計算します。
 具体的には、受け取った年金について、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法によって計算されます。

<課税・非課税部分の振り分けイメージ>


 いずれの方法で受け取るかは、税金の違いもありますが、まとまった資金が欲しい、年金で受け取り計画的に使いたいなど、ご自身のライフプランや資金ニーズに合わせて、検討されると良いでしょう。

 

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トラブルにならないための~法律の相続対策 亡くなった順番によって相続人になるかどうかが変わる?

 今回は相談事例を通じて、再代襲についてご紹介します。



 最近、祖父が亡くなりました。祖母は随分前に亡くなっており、祖父の子は父だけなのですが、父も5年前に亡くなっておりますので、私が相続人となり相続の手続きを行いました。ようやく片付いたと思っていたところで、親戚の人から大叔母が亡くなったと聞いたのですが、私は相続人になるのでしょうか?
 大叔母には、夫も子もいません。祖父の両親、父、祖父は大叔母より先に亡くなっており、二人の大叔父(曾祖父の子)は今も健在です。






 相談者様は、相続人とはなりません。

 被相続人となる大叔母様には配偶者、子がおらず、ご両親も亡くなられておりますので、大叔母様のご兄弟が相続人となります(民法第889条第1項第2号)。




 大叔母様のご兄弟の中で、相続の開始以前に亡くなられている方がいる場合には、その方の子が相続人となり、これを「代襲相続」といいます(民法第889条第2項、第887条第2項)。

 大叔母様のご兄弟である御祖父様は、相続の開始以前に亡くなられておりますので、お父様が代襲して相続することとなりますが、お父様は御祖父様よりも前に亡くなっているため、お父様の子である相談者様も代襲し相続人となるのかどうかが問題となり、これを「再代襲」といいます(民法第887条第3項)。

 ただ、兄弟姉妹には再代襲はないので、相談者様は大叔母様の相続につき相続人とはならず、ご健在の大叔父様2人のみが相続人となります。

 もし仮に、御祖父様が大叔母様よりも後に亡くなっていた((図中の(2)と(3)が逆だった)とすると、御祖父様の子が相続人となる代襲相続ではなく、御祖父様の相続人(ご存命であれば御祖母様、お父様)が相続人となる「数次相続」となります。

 数次相続であったとすると、子であるお父様の代襲相続人となる相談者様は、大叔母様の相続人にあたります。

 このように、亡くなった順番によって相続人が大きく変わることもあり、相続人が違えば遺産分割協議も無効となりますので、相続人が多岐に渡るような場合には亡くなった日にも注意する必要があります。

〈根拠条文〉
民法第889条
第1項 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
二  被相続人の兄弟姉妹

第2項 第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

民法第887条
第2項 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

第3項 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。


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お金に困らないための~税金の相続対策 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

 被相続人の居住用財産を相続した個人が、所定の期間内に一定の要件を満たす譲渡をした場合は、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用が認められます。




 去年、実家で独り住まいをしていた姉が亡くなりました。相続人は私1人で、姉が住んでいた土地建物を相続しました。姉が亡くなってからは誰も住んでいないので、そろそろ売却しようと考えております。相続した空き家を売却した際に受けられる特例があると聞きました。どのような特例でしょうか?




 ご質問の特例は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例」です。被相続人の居住用家屋と敷地等を相続した個人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間にこの不動産を譲渡し、一定の要件を満たしたときは、この不動産の譲渡所得から最高3,000万円の控除ができます。




 ご質問の特例は、「耐震性能が備わった空き家はそのまま利用し、管理が行き届かない空き家は更地にする」という観点に基づき、有効的に不動産を活用し、空き家の発生を抑制することを目的としています。また、管理が行き届かない空き家等は、防災・衛生・生活環境等に悪影響を及ぼすおそれがあり、地域住民の生命・身体・財産を保護する必要があるため、上記の特例が創設されました。

≪特例の適用要件≫



 以下に、具体的な事例をあげてわかりやすくご説明致します。

≪具体例≫

    ①被相続人が老人ホームに入居し、相続開始時に対象となる家屋に居住していない場合
  •  →× 適用できません
     ただし、相続開始日直前に病院に入院していて、病状が改善後、再びその家屋に居住するような状況で相続が発生した場合であれば、適用を受けることができます。
    ②被相続人が居住していた家屋及びその敷地の名義人が先代(被相続人の父や祖父)のままで被相続人に名義変更していなかった場合
  •  →○ 適用できます
     被相続人が居住していた家屋及びその敷地の名義人が先代名義(被相続人の父や祖父)のままで変更されていなくても、現に被相続人の居住用家屋とその敷地等を相続又は遺贈で取得したのであれば、適用を受けることができます。
    ③相続人が外国籍(アメリカ国籍、アメリカ在住)である場合
  •  →○ 適用できます
     被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例は、対象者について日本国内に居住しているか否かを区別していないため、非居住者であっても要件を満たせば適用を受けることができます。

 ご相談の場合にも、お姉さまのご自宅家屋が、昭和56年5月31日以前建築、耐震性あり(相続後に耐震リフォームをしたものを含む)又は取り壊しての譲渡、譲渡価額が1億円以下などの要件を満たせば、最高3,000万円の特別控除額を控除することができます。

 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例は、適用後の控除額が3,000万円と高額であり、節税効果も高い特例です。また、被相続人の居住家屋を取得する相続人が、小規模宅地の特例の条件をすべて満たす場合には、併用も可能です。

≪参考条文等≫
(国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置について、所法33、措法35の3、措令23、措規18の2)、(国税庁 タックスアンサー№.3306)、措通35-9


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夏季休業日のご案内

弊事務所では、下記期間を休業とさせて頂きますのでご案内いたします。

休業期間中は何かとご迷惑をお掛けすることと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
 
■夏季休業日
 8月11日(祝)~8月16日(木)


家と財産を守るための~不動産の相続対策 共有土地を分筆するときの注意点

文書作成日:2018/07/20


 共有の土地を分筆した場合、分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合に等しくないと贈与税課税が生じます。




 兄弟2人で共有(持分2分の1ずつ)している土地があります。お互い高齢で、相続の際、共有の土地について、相続人の間でもめ事が起こらないか心配です。そのため、共有関係を解消しようと話をしています。
 所有している土地は400㎡で、北側と南側の道路に接しています。そのため、北側と南側で分筆ができそうです。北側の道路は商店街に面した道路で、南側の道路は住宅地に面しています。土地を分筆する時の手続きや税金が気になります。




 分筆のためには、まず境界を確定させて測量をします。その上で分けますが、分け方によって税金が発生する場合がありますし、将来の売却にも留意する必要があります。




 土地を分筆するためには、まずは土地家屋調査士へ確定測量を依頼することが必要です。確定測量とは、測量をして面積を求めるのと同時に、隣接地の土地所有者が立ち合いを行い、境界を確定させることをいいます。隣接地は、民有地(民民査定)だけでなく、公道や水路、公園などの公有地(官民査定)を含みますので、所有している土地の権利関係や面積がすべて確定します。分筆は、確定測量後に行います。

 個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があった時に、分割されたそれぞれの土地の面積の比と共有持分比とが異なっていても、その分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合におおむね等しければ、その分割はその共有持分に応ずる現物分割に該当するとされています(所得税基本通達33-1の6(注)2)。よって、面積を基準に(同面積で)分筆した場合、その分筆した土地評価額に差が生じると、価値の低い方から高い方への贈与と認定されることになるので、注意が必要です。
 事業的規模の判断は、原則的に社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか否かによって、実質的に判断します。建物の貸付については、所得税法関連規定において、一定の基準に該当すれば、事業として行われているものとするとされており、これに準ずるものと考えられます。

 このように、分筆の仕方によって、税金が発生する場合がありますので注意が必要です。ただし、気を付けるべきことは、税金ばかりではありません。税金ばかり気にして分筆すると土地の市場価格を下げる結果となる場合があります。例えば、間口の狭い土地や建ぺい率の制限が厳しい地域の土地では、分筆することにより建物プランが限定されるなどの弊害が起こり、市場価格を著しく低下させることもあります。こうした土地の場合は、売却なども視野に入れるべきです。共有地を分筆するためには専門家への相談が必要不可欠です。まずは、土地家屋調査士、税理士、宅地建物取引士、司法書士などの各専門家へ相談されることをお勧めします。

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万一に備えるための~保険の相続対策 生命保険とみなし相続財産について

 被相続人の死亡によって取得した生命保険金で保険料を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。




 生命保険の死亡保険金は「みなし相続財産」だと聞いたことがあります。「みなし相続財産」とはどのような財産なのでしょうか?
 また、「相続」と聞くと税金がかかる印象があります。この「みなし相続財産」には税金がかかるのでしょうか?




 みなし相続財産とは、被相続人から相続した財産ではないものの実質的に同等と考えられるものについて、課税公平性の下、相続により取得したものとみなして相続税がかかる財産のことをいいます。




1.相続税とは

 「相続」の際にかかる代表的な税金は、“相続税”です。
 相続税とは、亡くなった人(=被相続人)の固有の財産や債務を相続(又は遺贈、以下「相続等」)により取得した時に、その財産と債務の差額が一定の額を超える時にかかる税金です。


2.相続税がかかる財産とは

 この場合の財産とは、通常、被相続人が死亡直前に持っていた財産をいい、例えば現金や預金、土地や建物、有価証券や貴金属などの目に見えるものの他にも、特許権や著作権など目には見えないものの金銭として見積もることができる、経済的価値のあるすべてのものも含まれます。

 この他にも、被相続人名義の財産でなくても、実質的に被相続人のものと考えられる財産(名義預金などの名義財産)や、相続の時に税金を精算することを予め約束して生前贈与を行う『相続時精算課税制度』の適用を受けた財産、税の負担としての公平を期するために、制度上設けられた次のような財産も、相続税の計算の上で“相続財産”として取扱われます。


(1)相続等によって取得したものとみなされる財産(いわゆる「みなし相続財産」)  
 例えば、次のような財産を、「みなし相続財産」といいます。

  • *生命保険金等
  • *死亡退職手当金等
  • *生命保険契約に関する権利
  • *定期金に関する権利
  • *保証期間付定期金に関する権利
  • *契約に基づかない定期金に関する権利

(2)被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産(いわゆる「生前贈与加算」)
 相続等により財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合には、原則としてその財産の贈与された時の価格を相続財産の価額に加算します。


3.みなし相続財産の対象となる生命保険の死亡保険金

 被相続人の死亡を原因とした生命保険の死亡保険金については、その死亡保険金の契約内容によっては、上記(1)のみなし相続財産に該当します。

 例えば、被相続人の死亡を原因とした生命保険で、かつ、その生命保険の保険料を被相続人が負担していた場合のその生命保険の死亡保険金です。これは、本来は相続により取得した財産ではなく、受取人固有の財産ですが、被相続人の死亡により被相続人が掛けていた保険金を受け取ることができるわけですから、実質的な経済効果としては被相続人から相続により取得した財産と同等と考えられるためです。

 ただし、このようなみなし相続財産についてすべて相続税の課税対象とするには、遺族の生活資金を奪うことになりかねないため、相続税がかからない一定の非課税限度額が設けられています。

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トラブルにならないための~法律の相続対策 配偶者居住権とは

 今回は相談事例を通じて、配偶者居住権についてご紹介します。



 相続法の改正で、配偶者に関する権利が新設されると聞きました。どのような権利なのでしょうか。




 相続に関する民法の改正作業が進められており、1980年以来、約40年ぶりの改正となる予定です。
 今般の改正で、相続開始時点で被相続人と同居していた建物(以下、居住建物)に配偶者が引き続き居住できる権利が新設されます。これが、ご相談の被相続人の配偶者を保護する視点で設けられた制度であり、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の2種類があります。




 「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の概要をご説明します。

1.配偶者短期居住権

 「配偶者短期居住権」は、遺産分割が終了するまでの期間についての居住権を保護する目的の権利です。相続開始とともに当然に発生し、次のいずれか遅い日までの間、配偶者はそのまま無償で居住建物に住むことができます。

  • ①分割により居住建物の取得者が確定した日
  • ②相続開始から6箇月を経過する日

2.配偶者居住権

 一方「配偶者居住権」は、長期の居住権で、居住建物を終身無償で使用・収益できる権利です。相続開始とともに発生する「配偶者短期居住権」とは異なり、次のいずれかに該当する場合に取得することができます。

  • ①遺産分割において、配偶者が、配偶者居住権を取得したとき。
  • ②配偶者に、配偶者居住権が遺贈されたとき。
  • ③被相続人と配偶者間に、配偶者に、配偶者居住権を取得させる死因贈与契約があるとき。

 配偶者は居住建物の所有者に対し「配偶者居住権」の登記を請求でき、登記することで、第三者に対する権利の主張も可能となります。

 なお、「配偶者短期居住権」「配偶者居住権」は、いずれも譲渡することはできず、配偶者の死亡等により消滅します。配偶者の死亡によりこれらの権利が消滅した場合、原状回復義務等の義務は、配偶者の相続人が相続することになります。

 また、「配偶者短期居住権」は評価の対象とはなりませんが、「配偶者居住権」はその財産的価値に相当する価額を相続したものとして扱われますので、注意が必要です。


※改正法律案は以下の法務省サイトでご確認ください
 「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案


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お金に困らないための~税金の相続対策 無償での貸付宅地に係る小規模宅地等の特例-特定同族会社事業用宅地等

 貸付が相当の対価を得ずに行われている場合には、小規模宅地等の特例-特定同族会社事業用宅地等の要件を満たさないので、評価減はできません。




 私は、所有している土地を自分が代表者兼100%株主である同族会社(製造業)に、月30万円(適正地代)で貸し付けていました。しかしこの1~2年、会社の業績が悪化し、現在は無償で貸している状態です。この状態で、もし私の相続が発生し、息子(後継者、取締役)がこの土地を相続することになった場合、小規模宅地等の特例のうち、特定同族会社事業用宅地等として80%の評価減を適用できますか。




 ご質問の場合は無償での貸付けであるため、特定同族会社事業用宅地等として80%の評価減を適用することはできません。




 特定同族会社事業用宅地等の要件は、次のとおりです。



 ご質問の場合は、上記②の要件を満たしていません。この場合の“有償”とは、相当の対価を得て貸し付けられているかどうかで判断します。この場合の「相当の対価」は、次のように考えられています。




 なお、特定同族会社に該当する法人が不動産貸付業(駐車場業、自転車駐車場業等も含む)を行っている場合は、80%の減額割合が50%となります。

 会社の業績が悪化したとしても、安易に土地代を無償化せずに、相談者様に支払い続けることが大切です。 そのことにより、特定同族会社事業用宅地等に該当し、土地の評価額を大きく減らすことができます。

<まとめ>

  • ・特定同族会社事業用宅地等に該当するためには、同族会社は被相続人等に対し相当の対価を支払っていないといけません。


(措法69の4、措令40の2、措規23の2、措通69の4-23)


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家と財産を守るための~不動産の相続対策 平成30年地価公示について

 地価公示価格は引き続き上昇基調にあります。なお、地価公示価格は土地の相続税評価額の基準にもなります。




 先日、平成30年の「地価公示価格」が発表されたというニュースをみました。今回の地価の動きについて教えてください。また、地価公示価格と土地の相続税評価額との関係はどのようになっているのでしょうか?




 今回発表された「地価公示価格」は、一部地域の住宅地を除き上昇傾向にあるといえるでしょう。また、土地の相続税評価額算定には地価公示価格の水準が影響しており、正の相関関係があるといえます。




 地価公示という制度は、地価公示法という法律に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するもので、主な役割としては以下のようなものがあります。

  • ・一般の土地の取引に対して指標を与えること
  • ・不動産鑑定の規準となること
  • ・公共事業用地の取得価格算定の規準となること
  • ・土地の相続税評価及び固定資産税評価についての基準となること
  • ・国土利用計画法による土地の価格審査の規準となること


 ここで、地価公示価格と土地の相続税評価額との関係について説明します。上述のとおり、地価公示価格は相続税評価や固定資産税評価の基準になるとされています。相続税や贈与税の申告にあたっては一般的に路線価等(いわゆる相続税路線価)が用いられますが、相続税路線価は、地価公示価格の水準の80%程度で評価されており、その均衡化・適正化が図られています。なお、地価公示価格、相続税路線価ともに毎年1月1日が評価の基準日とされていますが、地価公示の発表は例年3月の中~下旬(今年は3月27日)、相続税路線価の発表は例年7月初旬となっており時間差があります。

 では、今回の地価公示の概況をみてみましょう。全国平均は、住宅地の平均変動率が昨年の横ばいから10年ぶりに上昇に転じました。商業地は3年連続の上昇、工業地は2年連続の上昇となり、それぞれ上昇基調を強めています。また、全用途平均は3年連続の上昇です。
 東京、名古屋、大阪の三大都市圏をみると、住宅地、商業地及び工業地のいずれも、各圏域で上昇を示しました。大阪圏は、住宅地はわずかな上昇でしたが、商業地の上昇率は三圏で最も高くなっています。地方圏をみると、住宅地は下落幅の縮小傾向が継続しています。商業地及び工業地は26年ぶりに上昇に転じ、全用途平均でも下落を脱して横ばいに転じました。地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、全ての用途で上昇し、上昇基調を強めています。

 国土交通省では、土地の用途ごとに地価の動向と背景を下記のように分析しています。

(住宅地)

  • □ 雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続による需要の下支え効果もあって、利便性の高い地域を中心に地価の回復が進展。

(商業地)

  • □ 良好な資金調達環境の下、以下の背景から不動産需要は旺盛であり、地価は総じて堅調に推移。
    • ・外国人観光客の増加などによる店舗、ホテル需要の高まり
    • ・都市中心部における再開発等の進展による繁華性の向上
    • ・主要都市でのオフィス空室率の低下などによる収益性の向上

(工業地)

  • □ 全国的に工業地への需要の回復が見られる。特に、インターネット通販の普及等もあり、道路アクセスの良い物流施設の建設適地では大型物流施設建設に対する需要が旺盛である。

 金融緩和の影響やインバウンドの増加などの影響もあり、地価上昇は大都市圏から地方圏にも波及しています。全用途の平均が3年連続で上昇したのは、バブル経済崩壊後初めてのことです。但し、人口減少が続いている地方圏においては、引き続き地価は下落傾向で推移していますし、今回、国土交通省が初めて公表したデータにでは、駅距離により地価の変動率に差があることも示されています。
 また、全国の住宅地の最高価格地点が東京の番町から赤坂に入れ替わるとともに、大阪では商業地の最高価格地点がオフィス主体のキタを訪日客で賑わうミナミが上回るなどトレンドの変化も見てとれます。
 したがって、7月に発表される相続税路線価についても、今回の地価公示の影響を受け、地価が大幅に上昇している地点の付近については相続税路線価も大幅に上昇し、相続税額にも影響を与える可能性があります。

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