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京都市中京区のシモヤマ会計事務所

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万一に備えるための~保険の相続対策 相続人以外が受け取る死亡保険金

 死亡保険金は相続人以外が受け取る場合もみなし相続財産として相続税が課税されますが、非課税の適用はなく、2割加算の対象となります。




 叔父が亡くなって、甥にあたる私と弟が受取人に指定されている生命保険があることが発覚しました。保険金額が同じものがそれぞれ1件ずつありました。
 弟は、叔父夫妻に子がいなかったため、叔父の事業を継ぎ、養子になっています。
 相続人でない私が受け取る死亡保険金にも税金はかかるのでしょうか?
 また、遺産分割ではどのような扱いになるのでしょうか?
 叔父の相続人は叔母(配偶者)と養子(私の弟)の2人で、私の両親は存命です。

<契約内容>

  1. 契約者(保険料負担者):叔父
  2. 被保険者:叔父
  3. 死亡保険金受取人:甥2人(各1件)
  4. 保険種類:一時払終身保険
  5. 保険金額:1,000万円




 死亡保険金は受取人の固有の財産ですので、遺産分割の対象にはなりませんが、相続税の計算においては“みなし相続財産”として課税対象となります。また、ご相談者様は相続人ではないため、生命保険の非課税枠を適用できず、相続税額の2割相当額が加算されます。




 死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の対象、という点では、受取人が相続人であっても相続人以外であっても同じ扱いですが、相続税の計算においては、受取人が相続人ではない場合に、次の違いがあります。

  1. 生命保険の非課税枠 (500万円×法定相続人の数) を適用できない。
  2. 被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算される。

 今回、相談者様は相続人ではないため、上記1. 2. ともに該当します。一方、弟さんは叔父の養子になっていますので、相続人であり、どちらも考慮する必要はありません。

 また、受け取る死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の対象にはなりますが、受取人の固有の財産として扱われますので、相続財産に含まれず、遺産分割協議の対象になりません。よって、通常は遺留分の計算の基礎にも含まれないことになります(ただし、相続人との間で到底是認できない不公平など、特別な事情により争い事になるような場合には、遺留分の計算の基礎に含まれることもあります)。

 なお、今回のケースでは弟さんは被相続人の直系卑属ではない養子のため相続税の2割加算は適用されませんが、同じ養子でも被相続人の直系卑属である孫を養子にしていて、その孫が代襲相続人ではない場合は、加算の対象になります。これは、被相続人→子→孫と、孫に承継するまでに、通常、2回の相続が発生するものを一代飛ばして課税の回数を1回に減らすことになるため、税対策への措置と考えられます。

 

<参考条文等> 相法18、相法21の15、16、相基通18-5、遺留分に関する判例

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

トラブルにならないための~法律の相続対策 相続に関する改正民法の概要

 今回は相談事例を通じて、相続に関する改正民法の概要についてご紹介します。



 相続に関する法律が改正されたと聞きました。どのような内容なのでしょうか。大まかな内容を教えてください。




 相続に関する改正民法が、平成30年7月6日、参議院で可決され、成立しました。同時に、法務局における遺言書の保管等に関する法律も可決・成立しています。
 今回の改正は、遺された配偶者の生活への配慮等を目的としたもので、相続が大きく変わる大改正です。以下で、その要点をざっくりと確認していきます。




【民法】
(1)相続が開始した場合における配偶者の居住の権利
 配偶者が、終身又は一定期間、無償で被相続人の財産に属した建物の使用及び収益をすることができる権利(配偶者居住権)が創設され、遺産分割又は遺贈によってこれを取得することができることなります。

 → 施行日:公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日

(2)遺産分割前における預貯金債権の行使に関する規定の新設
 共同相続された預貯金債権がある場合には、各共同相続人は、遺産分割が終了するまでの間も、預貯金債権のうち一定額については、他の共同相続人の同意を得ることなく、単独で払戻しをすることができるようになります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日

(3)自筆証書遺言の方式の緩和
 自筆証書遺言の要件が緩和されました。これにより、自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書が不要となります。

 → 施行日:公布日から起算して6ヶ月を経過した日

(4)遺留分の減殺請求権の金銭債権化
 遺留分を侵害された者の権利の行使によって遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に失効するとされている現行法の規律が見直され、遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることとなります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日

(5)特別の寄与の制度の創設
 被相続人の親族で相続人以外の者が、被相続人の療養看護等を無償でしたことにより被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合には、相続の開始後、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日


【家事事件手続法】
 預貯金債権の仮分割の仮処分について、遺産分割前の保全処分の要件を緩和するとともに、民法において新設する特別の寄与の制度に関する手続規定が設けられます。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日


【法務局における遺言書の保管等に関する法律】
 相続をめぐる紛争を防止するため、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書の保管及び情報の管理を行う制度を創設する改正です。

(1) 遺言者が法務局において、自筆証書による遺言書の保管を申請することができる制度を創設し、その申請手続き、遺言書の保管及び情報の管理、遺言者の死亡後の相続人等による遺言書の写しの請求手続き等が規定されます。
(2) 法務局に保管されている遺言書については、検認に係る民法の規定を除外する等の措置が講じられます。

 → 施行日:公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

トラブルにならないための~法律の相続対策 相続に関する改正民法の概要

 今回は相談事例を通じて、相続に関する改正民法の概要についてご紹介します。



 相続に関する法律が改正されたと聞きました。どのような内容なのでしょうか。大まかな内容を教えてください。




 相続に関する改正民法が、平成30年7月6日、参議院で可決され、成立しました。同時に、法務局における遺言書の保管等に関する法律も可決・成立しています。
 今回の改正は、遺された配偶者の生活への配慮等を目的としたもので、相続が大きく変わる大改正です。以下で、その要点をざっくりと確認していきます。




【民法】
(1)相続が開始した場合における配偶者の居住の権利
 配偶者が、終身又は一定期間、無償で被相続人の財産に属した建物の使用及び収益をすることができる権利(配偶者居住権)が創設され、遺産分割又は遺贈によってこれを取得することができることなります。

 → 施行日:公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日

(2)遺産分割前における預貯金債権の行使に関する規定の新設
 共同相続された預貯金債権がある場合には、各共同相続人は、遺産分割が終了するまでの間も、預貯金債権のうち一定額については、他の共同相続人の同意を得ることなく、単独で払戻しをすることができるようになります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日

(3)自筆証書遺言の方式の緩和
 自筆証書遺言の要件が緩和されました。これにより、自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書が不要となります。

 → 施行日:公布日から起算して6ヶ月を経過した日

(4)遺留分の減殺請求権の金銭債権化
 遺留分を侵害された者の権利の行使によって遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に失効するとされている現行法の規律が見直され、遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることとなります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日

(5)特別の寄与の制度の創設
 被相続人の親族で相続人以外の者が、被相続人の療養看護等を無償でしたことにより被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合には、相続の開始後、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日


【家事事件手続法】
 預貯金債権の仮分割の仮処分について、遺産分割前の保全処分の要件を緩和するとともに、民法において新設する特別の寄与の制度に関する手続規定が設けられます。

 → 施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日


【法務局における遺言書の保管等に関する法律】
 相続をめぐる紛争を防止するため、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書の保管及び情報の管理を行う制度を創設する改正です。

(1) 遺言者が法務局において、自筆証書による遺言書の保管を申請することができる制度を創設し、その申請手続き、遺言書の保管及び情報の管理、遺言者の死亡後の相続人等による遺言書の写しの請求手続き等が規定されます。
(2) 法務局に保管されている遺言書については、検認に係る民法の規定を除外する等の措置が講じられます。

 → 施行日:公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日


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家と財産を守るための~不動産の相続対策 平成30年路線価について

 路線価の全国の平均変動率は3年連続の上昇となり、上昇幅も拡大しました。地価が継続的に上昇していることが路線価にも反映されています。




 先日、平成30年の「路線価」が公表されたというニュースを見ました。今年の結果の特徴を教えてください。




 都市部においては、インバウンドや再開発の進展に伴う繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入により、地価が継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。




 路線価は、相続税や贈与税の算定の基準となるもので、3月に国土交通省が発表した地価公示と同様、毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したもので、国税庁が公表しています。地価公示価格等を基として算定した価格の80%を目安に評価されています。平成30年分の路線価は、平成30年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の申告に利用されることになります。

 今回の路線価の概況をみてみましょう。全国の平均変動率は0.7%の上昇となりました。0.4%の上昇となった前年に続き3年連続の上昇となり上昇幅が拡大しました。47都道府県のうち、上昇幅で前年を上回ったのは沖縄県、東京都、宮城県など18都道府県で、昨年の13都府県から増加しました。一方、前年より下落した県は秋田県、愛媛県、三重県など29県であり、昨年の32県から減少しました。

 都道府県庁所在地の最高路線価をみると、33都市が上昇し、前年の27都市から拡大しました。横ばいは13都市、下落したのは水戸市のみで、昨年の3都市から減少しました。地点別の最高路線価地は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」の前が1平方メートルあたり4,432万円で33年連続日本一となりました。東京・銀座に続く第2位は大阪・梅田の1,256万円(前年比+6.8%)、3位は神奈川・横浜駅西口の1,024万円(同+13.3%)と続いています。一方、最高路線価が最も低かった都道府県庁所在地は鳥取の11万円であり、秋田の12万円が続いています。東京・銀座の路線価は鳥取の路線価の約400倍ということになります。

 上述のように都市部においては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来訪者の増加や、再開発の進展による繁華性の向上による土地需要の高まり、低金利環境の継続による投資資金の不動産市場への流入が続いていることから地価は継続的に上昇しており、これが路線価にも反映され、結果として相続税や贈与税の税額にも影響を与える結果となっています。

 路線価については、下記の路線価図等閲覧のページで確認できます。 

 平成30年分路線価図等閲覧
 国税庁の発表資料(都道府県庁所在都市の最高路線価についても掲載)

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万一に備えるための~保険の相続対策 保険金を年金で受け取った場合の税金

 死亡保険金を一括で受け取る場合と年金形式で受け取る場合では、税金の負担が異なります。年金形式で受け取る場合、年金受給時にも課税があります。




 先日、父が亡くなり、父が加入していた保険の死亡保険金を受け取ることになりました。契約者、被保険者とも父で、保険料も父が支払っていました。この契約には、年金支払特約が付いており、保険会社から死亡保険金を一括で受け取るか、全部または一部を年金(分割)で受け取ることもできるという説明を受けました。受け取り方によって、税金は変わってくるのでしょうか?




 相続等により受け取る被相続人が保険料を負担していた死亡保険金の相続時の評価額は一括受取か、年金受取かで異なります。加えて、年金受取の場合、受給開始2年目以降はその年金受取額の一部が雑所得として、個人所得税及び住民税が課税されます。




 死亡保険金を一括で受け取るか、年金(分割)で受け取るかによって、税金は以下の通りとなります。



一括で受け取る場合
 一括で受け取った死亡保険金額が、相続税の課税対象となります。
 この時、受取人が相続人であれば、「500万円×法定相続人の数」を限度として、死亡保険金の非課税枠が適用できます。

年金(分割)で受け取る場合
 死亡保険金を年金で受け取る場合、まずは、相続開始時点での年金受給権が、相続税の課税対象となります。受取人が相続人であれば、死亡保険金の非課税枠が適用できます。

 さらに、毎年受け取る年金は、雑所得として所得税、住民税の課税対象となります。
 支払いを受ける年金に係る雑所得の計算は、課税部分と非課税部分に振り分けた上で計算します。
 具体的には、受け取った年金について、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法によって計算されます。

<課税・非課税部分の振り分けイメージ>


 いずれの方法で受け取るかは、税金の違いもありますが、まとまった資金が欲しい、年金で受け取り計画的に使いたいなど、ご自身のライフプランや資金ニーズに合わせて、検討されると良いでしょう。

 

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トラブルにならないための~法律の相続対策 亡くなった順番によって相続人になるかどうかが変わる?

 今回は相談事例を通じて、再代襲についてご紹介します。



 最近、祖父が亡くなりました。祖母は随分前に亡くなっており、祖父の子は父だけなのですが、父も5年前に亡くなっておりますので、私が相続人となり相続の手続きを行いました。ようやく片付いたと思っていたところで、親戚の人から大叔母が亡くなったと聞いたのですが、私は相続人になるのでしょうか?
 大叔母には、夫も子もいません。祖父の両親、父、祖父は大叔母より先に亡くなっており、二人の大叔父(曾祖父の子)は今も健在です。






 相談者様は、相続人とはなりません。

 被相続人となる大叔母様には配偶者、子がおらず、ご両親も亡くなられておりますので、大叔母様のご兄弟が相続人となります(民法第889条第1項第2号)。




 大叔母様のご兄弟の中で、相続の開始以前に亡くなられている方がいる場合には、その方の子が相続人となり、これを「代襲相続」といいます(民法第889条第2項、第887条第2項)。

 大叔母様のご兄弟である御祖父様は、相続の開始以前に亡くなられておりますので、お父様が代襲して相続することとなりますが、お父様は御祖父様よりも前に亡くなっているため、お父様の子である相談者様も代襲し相続人となるのかどうかが問題となり、これを「再代襲」といいます(民法第887条第3項)。

 ただ、兄弟姉妹には再代襲はないので、相談者様は大叔母様の相続につき相続人とはならず、ご健在の大叔父様2人のみが相続人となります。

 もし仮に、御祖父様が大叔母様よりも後に亡くなっていた((図中の(2)と(3)が逆だった)とすると、御祖父様の子が相続人となる代襲相続ではなく、御祖父様の相続人(ご存命であれば御祖母様、お父様)が相続人となる「数次相続」となります。

 数次相続であったとすると、子であるお父様の代襲相続人となる相談者様は、大叔母様の相続人にあたります。

 このように、亡くなった順番によって相続人が大きく変わることもあり、相続人が違えば遺産分割協議も無効となりますので、相続人が多岐に渡るような場合には亡くなった日にも注意する必要があります。

〈根拠条文〉
民法第889条
第1項 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
二  被相続人の兄弟姉妹

第2項 第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

民法第887条
第2項 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

第3項 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。


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お金に困らないための~税金の相続対策 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

 被相続人の居住用財産を相続した個人が、所定の期間内に一定の要件を満たす譲渡をした場合は、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用が認められます。




 去年、実家で独り住まいをしていた姉が亡くなりました。相続人は私1人で、姉が住んでいた土地建物を相続しました。姉が亡くなってからは誰も住んでいないので、そろそろ売却しようと考えております。相続した空き家を売却した際に受けられる特例があると聞きました。どのような特例でしょうか?




 ご質問の特例は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例」です。被相続人の居住用家屋と敷地等を相続した個人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間にこの不動産を譲渡し、一定の要件を満たしたときは、この不動産の譲渡所得から最高3,000万円の控除ができます。




 ご質問の特例は、「耐震性能が備わった空き家はそのまま利用し、管理が行き届かない空き家は更地にする」という観点に基づき、有効的に不動産を活用し、空き家の発生を抑制することを目的としています。また、管理が行き届かない空き家等は、防災・衛生・生活環境等に悪影響を及ぼすおそれがあり、地域住民の生命・身体・財産を保護する必要があるため、上記の特例が創設されました。

≪特例の適用要件≫



 以下に、具体的な事例をあげてわかりやすくご説明致します。

≪具体例≫

    ①被相続人が老人ホームに入居し、相続開始時に対象となる家屋に居住していない場合
  •  →× 適用できません
     ただし、相続開始日直前に病院に入院していて、病状が改善後、再びその家屋に居住するような状況で相続が発生した場合であれば、適用を受けることができます。
    ②被相続人が居住していた家屋及びその敷地の名義人が先代(被相続人の父や祖父)のままで被相続人に名義変更していなかった場合
  •  →○ 適用できます
     被相続人が居住していた家屋及びその敷地の名義人が先代名義(被相続人の父や祖父)のままで変更されていなくても、現に被相続人の居住用家屋とその敷地等を相続又は遺贈で取得したのであれば、適用を受けることができます。
    ③相続人が外国籍(アメリカ国籍、アメリカ在住)である場合
  •  →○ 適用できます
     被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例は、対象者について日本国内に居住しているか否かを区別していないため、非居住者であっても要件を満たせば適用を受けることができます。

 ご相談の場合にも、お姉さまのご自宅家屋が、昭和56年5月31日以前建築、耐震性あり(相続後に耐震リフォームをしたものを含む)又は取り壊しての譲渡、譲渡価額が1億円以下などの要件を満たせば、最高3,000万円の特別控除額を控除することができます。

 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除特例は、適用後の控除額が3,000万円と高額であり、節税効果も高い特例です。また、被相続人の居住家屋を取得する相続人が、小規模宅地の特例の条件をすべて満たす場合には、併用も可能です。

≪参考条文等≫
(国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置について、所法33、措法35の3、措令23、措規18の2)、(国税庁 タックスアンサー№.3306)、措通35-9


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夏季休業日のご案内

弊事務所では、下記期間を休業とさせて頂きますのでご案内いたします。

休業期間中は何かとご迷惑をお掛けすることと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
 
■夏季休業日
 8月11日(祝)~8月16日(木)


家と財産を守るための~不動産の相続対策 共有土地を分筆するときの注意点

文書作成日:2018/07/20


 共有の土地を分筆した場合、分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合に等しくないと贈与税課税が生じます。




 兄弟2人で共有(持分2分の1ずつ)している土地があります。お互い高齢で、相続の際、共有の土地について、相続人の間でもめ事が起こらないか心配です。そのため、共有関係を解消しようと話をしています。
 所有している土地は400㎡で、北側と南側の道路に接しています。そのため、北側と南側で分筆ができそうです。北側の道路は商店街に面した道路で、南側の道路は住宅地に面しています。土地を分筆する時の手続きや税金が気になります。




 分筆のためには、まず境界を確定させて測量をします。その上で分けますが、分け方によって税金が発生する場合がありますし、将来の売却にも留意する必要があります。




 土地を分筆するためには、まずは土地家屋調査士へ確定測量を依頼することが必要です。確定測量とは、測量をして面積を求めるのと同時に、隣接地の土地所有者が立ち合いを行い、境界を確定させることをいいます。隣接地は、民有地(民民査定)だけでなく、公道や水路、公園などの公有地(官民査定)を含みますので、所有している土地の権利関係や面積がすべて確定します。分筆は、確定測量後に行います。

 個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があった時に、分割されたそれぞれの土地の面積の比と共有持分比とが異なっていても、その分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合におおむね等しければ、その分割はその共有持分に応ずる現物分割に該当するとされています(所得税基本通達33-1の6(注)2)。よって、面積を基準に(同面積で)分筆した場合、その分筆した土地評価額に差が生じると、価値の低い方から高い方への贈与と認定されることになるので、注意が必要です。
 事業的規模の判断は、原則的に社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか否かによって、実質的に判断します。建物の貸付については、所得税法関連規定において、一定の基準に該当すれば、事業として行われているものとするとされており、これに準ずるものと考えられます。

 このように、分筆の仕方によって、税金が発生する場合がありますので注意が必要です。ただし、気を付けるべきことは、税金ばかりではありません。税金ばかり気にして分筆すると土地の市場価格を下げる結果となる場合があります。例えば、間口の狭い土地や建ぺい率の制限が厳しい地域の土地では、分筆することにより建物プランが限定されるなどの弊害が起こり、市場価格を著しく低下させることもあります。こうした土地の場合は、売却なども視野に入れるべきです。共有地を分筆するためには専門家への相談が必要不可欠です。まずは、土地家屋調査士、税理士、宅地建物取引士、司法書士などの各専門家へ相談されることをお勧めします。

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万一に備えるための~保険の相続対策 生命保険とみなし相続財産について

 被相続人の死亡によって取得した生命保険金で保険料を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。




 生命保険の死亡保険金は「みなし相続財産」だと聞いたことがあります。「みなし相続財産」とはどのような財産なのでしょうか?
 また、「相続」と聞くと税金がかかる印象があります。この「みなし相続財産」には税金がかかるのでしょうか?




 みなし相続財産とは、被相続人から相続した財産ではないものの実質的に同等と考えられるものについて、課税公平性の下、相続により取得したものとみなして相続税がかかる財産のことをいいます。




1.相続税とは

 「相続」の際にかかる代表的な税金は、“相続税”です。
 相続税とは、亡くなった人(=被相続人)の固有の財産や債務を相続(又は遺贈、以下「相続等」)により取得した時に、その財産と債務の差額が一定の額を超える時にかかる税金です。


2.相続税がかかる財産とは

 この場合の財産とは、通常、被相続人が死亡直前に持っていた財産をいい、例えば現金や預金、土地や建物、有価証券や貴金属などの目に見えるものの他にも、特許権や著作権など目には見えないものの金銭として見積もることができる、経済的価値のあるすべてのものも含まれます。

 この他にも、被相続人名義の財産でなくても、実質的に被相続人のものと考えられる財産(名義預金などの名義財産)や、相続の時に税金を精算することを予め約束して生前贈与を行う『相続時精算課税制度』の適用を受けた財産、税の負担としての公平を期するために、制度上設けられた次のような財産も、相続税の計算の上で“相続財産”として取扱われます。


(1)相続等によって取得したものとみなされる財産(いわゆる「みなし相続財産」)  
 例えば、次のような財産を、「みなし相続財産」といいます。

  • *生命保険金等
  • *死亡退職手当金等
  • *生命保険契約に関する権利
  • *定期金に関する権利
  • *保証期間付定期金に関する権利
  • *契約に基づかない定期金に関する権利

(2)被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産(いわゆる「生前贈与加算」)
 相続等により財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合には、原則としてその財産の贈与された時の価格を相続財産の価額に加算します。


3.みなし相続財産の対象となる生命保険の死亡保険金

 被相続人の死亡を原因とした生命保険の死亡保険金については、その死亡保険金の契約内容によっては、上記(1)のみなし相続財産に該当します。

 例えば、被相続人の死亡を原因とした生命保険で、かつ、その生命保険の保険料を被相続人が負担していた場合のその生命保険の死亡保険金です。これは、本来は相続により取得した財産ではなく、受取人固有の財産ですが、被相続人の死亡により被相続人が掛けていた保険金を受け取ることができるわけですから、実質的な経済効果としては被相続人から相続により取得した財産と同等と考えられるためです。

 ただし、このようなみなし相続財産についてすべて相続税の課税対象とするには、遺族の生活資金を奪うことになりかねないため、相続税がかからない一定の非課税限度額が設けられています。

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